月面はレゴリスと呼ばれる微粉末材料で覆われています.月のレゴリスの特徴はまだ完全には解明されておらず,地形,地質,土壌の力学特性には多くの不確実性(地質学的および地質工学的リスク)が残っています.一連の月面探査や将来の月面基地建設のミッションを成功させるためには,このような月の地盤調査が不可欠となります.また,月の環境に関するレゴリスと機械/構造システムの挙動を予測するために,理論モデルおよび/またはシミュレータを開発することも重要です.
当研究室は,国土交通省「宇宙無人建設革新技術開発プロジェクト(通称:スターダストプログラム)」の「月面の3次元地質地盤図を作成するための測量・地盤調査法(代表者:立命館大学・小林泰三教授)」に参画し,月面地盤調査ローバー「RGIS (Robotic Geotechnical Investigation System)」の研究開発を行っています.
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001739791.pdf
※本成果は,立命館大学理工学部環境都市工学科,小林泰三研究室との共同研究の結果,生まれたものです.
関連文献
- Taizo Kobayashi, Atsushi Kakogawa, Shinichi Ito, Masafumi Nakagawa, Takeshi Tsuji, Shingo Ozaki, Satoshi Matsumura, Akihiko Kondo, Masanori Takigawa, Keitaro Kitamura, Takahito Hiramatsu, Hisatoshi Sano, Takeshi Yoneoka, Junichiro Odaka, Kenji Hosobori, Taichi Ikenaga and Ryu Taniguchi, Development of an Unmanned Exploration Robot for Lunar Surface Geotechnical Investigation, 21st International and 12th Asia-Pacific Regional Conference of the International Society for Terrain-Vehicle Systems (ISTVS2024), 2024
- 小林泰三,伊藤真一,加古川篤,中川雅史,辻健,池永太一,谷口龍,,滝川正則,北村啓太朗,佐野寿聰,松村聡,近藤明彦,米岡威,尾高潤一郎,島田徹也,尾崎伸吾,月面の3次元地質地盤図を作成するための測量・地盤調査法,日本工業出版,月刊「建設機械」2024年4月号,特集:宇宙無人建設革新技術開発の動向①
- 小林泰三,加古川篤,伊藤真一,中川雅史,滝川正則,北村啓太朗,佐野寿聰,辻健,米岡威,尾高潤一郎,島田徹也,松村聡,近藤明彦,池永太一,谷口龍,尾崎伸吾,月面における測量・地盤調査ロボットの開発,日本航空宇宙学会 第67回宇宙科学技術連合講演会,1N04,2023
- 小林泰三,加古川篤,中川雅史,滝川正則,北村啓太朗,辻健,米岡威,尾高潤一郎,島田徹也,松村聡,近藤明彦,池永太一,谷口龍,将来の月利用・拠点建設に向けた地質・地盤調査,日本航空宇宙学会 第54期定時社員総会および年会講演会,2023